角度と距離を測定して正確にモデリングする
堅実な構造・デザインと M.C.エッシャーのだまし絵の違いは何でしょうか。それは正確な測定です。
SketchUp では、[メジャー] ツール、[分度器] ツール、[測定] ボックスを使用して正確にモデリングできます。
- [メジャー] ツール () では、距離を測定し、正確なガイドラインとガイドポイントを設定できます。
注: ガイドラインとガイドポイントは、正確に描画するためのガイドとして使用される一時的な破線です。通常のジオメトリには干渉しません。
- [分度器] ツール () では、角度を測定し、正確な角度のガイドラインを設定できます。
- SketchUp のほとんどのツールの使用時に [測定] ボックスに正確な値を入力できます。
これらのツール以外にも、この記事のヒントをちょっとした数学と組み合わせることで、建築物の高さを正確に推定することもできます。
距離の測定
[メジャー] ツールでは、距離を測定したり、ガイドを作成したり、軸に沿った座標を確認したりできます。SketchUp インターフェースの [メジャー] ツール () は以下の場所にあります。
- 基本ツールバー
- 建設ツールバー
- ラージツールセットツールバー
- メニューバーのツールメニュー
- ツールパレット (macOS)
ヒント: [メジャー] ツールを選択すると、直線の長さや面の面積が一目で分かります。[メジャー] カーソルを直線や面に合わせると、[測定] ボックスに距離や面積が表示されます。
ジオメトリを測定したり、ガイドラインを設定したりするには、次の手順に従います。
- [メジャー] ツール () を選択するか、T キーを押します。
注: [メジャー] ツールのデフォルト設定では、測定時にガイドラインとガイドポイントが作成されます。ガイド作成モード () のときは、[メジャー] カーソルの隣にプラス記号が表示されます。ガイドを作成せずに 2 点間の距離を測定するだけであれば、Ctrl キー (Microsoft Windows) または Option キー (macOS) を押します。このモードでは、[測定] ツールの隣のプラス記号が消えます。このモードはツールを切り替えるまで保持されます。 - 測定の始点をクリックします。終点または中点を選択する必要がある場合は、SketchUp 推定エンジンが役立ちます。ガイドラインを作成するには、ガイドラインに対して並行にする必要がある直線をクリックします。
- 測定する方向にカーソルを動かします。マウスを動かすと、以下の図のように、両端に矢印が付いた一時的なメジャーの線が開始点から伸びていきます。
ヒント: 3D 空間での [メジャー] カーソルの移動に関するヒントを以下に示します。
- 測定ラインは、いずれかの軸と平行である時、軸の色に合わせて色が変わります。図では、メジャーが赤軸に沿っています。
- 測定中に方向ボタンを押したままにすると、軸がロックされます。上矢印を押すと青軸に、左矢印を押すと緑軸に、右矢印を押すと赤軸にロックされます。
- [測定] ボックスには、メジャーの長さが動的に表示されます。
- Esc キーを押すことで、最初からやり直せます。
- (オプション) ガイドラインを作成するには、Ctrl キー (Microsoft Windows) または Option キー (macOS) を押します。[メジャー] カーソル () の隣にプラス記号が表示されます。
- 測定の終点をクリックします。[測定] ボックスに始点からの距離が表示されます。前の手順で Ctrl キーを押すと、ガイドラインは 3D 空間上で (少なくともモデル内で) 無限に続く破線として表示されます。以下の図では、ガイドラインによって内壁から 3 フィートの距離をマークしています(モデル内での距離のラベリングの詳細については、「モデルにテキストを追加する」を参照してください)。
- (オプション) ガイドラインを始点から正確な距離だけ移動させるには、数値と単位を入力して Enter キーを押します。
角度の測定
モデルの他の場所に角度を複製したり、木工プロジェクトなどの計画を作成したりする場合は、角度を測定します。角度を測定したり、角度のあるガイドラインを作成したりするには、[分度器] ツールを使用します。
[分度器] ツール () は SketchUp インターフェースのいくつかの場所にあります。
- 建設ツールバー
- ラージツールセットツールバー
- ツールメニュー
- ツールパレット(macOS)
ビデオでは、[分度器] ツールを使用して角度を測定したり、ガイドを設定したりする方法について説明します。詳細な手順については、以下のセクションを参照してください。
角度を測定して、角度のあるガイドラインを作成するには、次の手順に従います。
- [分度器] ツール () を選択します。カーソルの形が分度器に変わります。中心点はカーソルに固定されます。
- クリックして角度を測定する頂点を設定します (コールアウト 1 の図を参照してください)。方向をロックする必要がある場合は、Shift キーを押しながらクリックします。
ヒント: Shift キーを押しながら回転平面をロック/拘束しているときに、Alt キー (Microsoft Windows) または Command キー (macOS) をタップすると、分度器を推定平面から解放できます。分度器の角度は元の平面の角度のままになりますが、分度器を移動して他のジオメトリを推定することができます。
- 角度の測定を開始する場所をクリックします (コールアウト 2 の図を参照してください)。
ヒント: 頂点から最初の点までクリックアンドドラッグすると、回転軸を定義できます。これは、特に赤、緑、青の平面以外を軸にして回転させる必要がある場合に役立ちます。いつでも Esc キーを押すことで、最初からやり直せます。
- カーソルを移動させて角度を測定します (コールアウト 3 の図を参照してください)。
ヒント: 正確な角度の測定に役立つヒントを以下に示します。
- カーソルを移動させると、角度が [測定] ボックスに動的に表示されます。
- カーソルを分度器に近づけると、角度が分度器の目盛りにスナップされます。この目盛りは 15 度ごとに表示されます。カーソルを分度器の中心から離すと、より正確な角度を測定できます。
- クリックして角度のあるガイドラインを設定します。
- (オプション) 値を入力して Enter キーを押すと、ガイドラインの角度を変更できます (開始ラインに対する角度)。34.1 などの小数値や、1:6 などの勾配を入力できます。この値は、別の点を選択するか、別のコマンドを選択するまで、何回でも変更できます。
ガイドラインの編集
ガイドラインまたはガイドポイントの方向を変えるには、移動または回転させます。詳細については、「エンティティの移動」および「反転と回転」を参照してください。
ガイドラインの非表示と消去
ガイドラインは通常、モデルの一部を構築するための一時的な補助として作成されます。モデル内に多数のガイドラインを保持しておくと、SketchUp の推定の精度と表示パフォーマンスが低下する可能性があるため、作業中はガイドラインを非表示にしたり、3D モデルを仕上げ後はすべてのガイドラインを削除したりことをお勧めします。
ガイドラインを非表示にするには、以下のいずれかの方法を使用します。
- [選択] ツール () を使用して、1 つ以上のガイドを選択し、[編集] > [非表示] を選択します。
- 以下の図のように、選択したガイドを右クリックして、表示されたメニューから [非表示] を選択します。
非表示のガイドを再度表示するには、[編集] > [再表示] を選択し、[再表示] サブメニューからオプションを選択します。
ガイドラインを削除すると、完全に削除され、元に戻すことはできません。ガイドラインを削除する方法はいくつかあります。
- [選択] ツール () を使用して、1 つ以上のガイドを選択し、[編集] > [削除] を選択します。
- ガイドを右クリックし、表示されたメニューから [消去] を選択します。
- [消しゴム] ツール () でガイドラインをクリックします。
- [編集] > [ガイドを削除] を選択して、現在のコンテキスト内のすべてのガイドを消去します。
建築物の高さを正確に推定する
モデリングしようとしている既存の建築物の高さがわからない場合、以下のテクニックを使用して正確に推測できます。
- 繰り返しユニットを数える。
- 既知の高さのオブジェクトと共に写真を撮る。
- 三角法を使用する。
建築物のフットプリントを正しい高さで起こす準備ができたら、[カメラ] > [標準ビュー] > [ISO] を選択して ISO ビューに移動します。[プッシュ/プル] ツール () を使用して、建築物を 3D に起こし、建築物の正確な高さを入力します。
方法 1: 繰り返しユニットを数える
多くの場合、建物はレンガやブロックなどのモジュール方式の建築材料で構築されています。1 ユニットの高さを計測し、外見上のユニットの合計数を数え、乗算して全体的な高さの概算を取得します。
この方法は、建築物全体レベルでも機能します。建築物の外見上の 1 階部分を測定できる場合、合計の階数で乗算することで、全体の概算の測定値を得ることができます。
方法 2: 既知の高さのオブジェクトと共に写真を撮る
モデリングする建築物の写真を取るときに、高さがわかっている物 (または誰か) を写真に収めます。
- 物差しや人物だと上手くいきます。
- より正確に推定するために、高さがわかるものは可能な限り建築物の近くに配置してください。
- 垂直方向の歪みを最小限に抑えるため、できるだけ遠くから写真を撮ってください。
画像編集プログラムを使用することで、写真に写っているオブジェクト (または人物) に基づいて建築物の高さを推定できます。
方法 3: 単純な三角法を使用する
いくつかの簡単な測定を使用して、ある程度の精度で高さを推定できます。以下の図をご覧ください。以下を把握しておく必要があります。
- 建築物からの距離
- 目線の高さ
- 地面と建物上部の間の角度
以下の数式を使用して、建築物の高さを計算します。
高さ = ( tan(角度) x 距離 ) + 目線の高さ
たとえば、建物から 25 メートル離れていて、角度が 37 度、目線の高さが 1.75 メートルの場合、数式は以下のようになります。
高さ = tan(37) x 25m + 1.75m
= 0.75355 x 25m + 1.75m
= 20.6m
[測定] ボックスのクイックリファレンス
このセクションでは、使用しているツールに応じて、[測定] ボックスで使用できるすべての値を説明している表を示します。ツールを使用した後、値を入力して Enter キーを押すだけです。[測定] ボックスをクリックする必要はありません。また、モデルに別の変更を加えたり、別のツールを選択したりするまで、アクションに変更を加える値を入力し続けることができます。
測定単位の指定
以下の表に、測定単位を指定する方法を示します。単位を指定しない場合は、テンプレートの単位が使用されます。デフォルトの単位を表示または変更するには、[ウィンドウ] > [モデル情報] を選択し、左側のサイドバーで [単位] を選択します。
単位 | 指定方法 | 例 |
---|---|---|
インチ | 数値 + “ | 10” |
フィート | 数字 + ’ | 10’ |
ミリメートル | 数値 + mm | 10mm |
センチメートル | 数値 + cm | 10cm |
メートル | 数値 + m | 10m |
配列の作成
配列は、ジオメトリを直線 (線形配列)として、またはある点を中心 (放射配列) として配置します。[移動] ツールまたは [回転] ツールを使用してジオメトリをコピーすると、配列が作成されます。以下の表は、配列の作成時に使用できるすべての修飾子を示しています。
配列タイプ | 指定方法 | 例 | 間隔 |
---|---|---|---|
外部 | 数値 + x | 3x | 元のジオメトリから最初のコピーまでの距離と等しい距離 |
外部 | 数値 + * | 3* | 元のジオメトリから最初のコピーまでの距離と等しい距離 |
内部 | 数値 + / | 3/ | 元のジオメトリと最初のコピーの間を等分した距離 |
ツール固有の測定値の入力
ツールを使用した直後に正確な値を入力できます。これは [計測] ボックスに表示されます。入力できる値はツールによって異なります。
以下のリンクをクリックすると、各ツールで使用できる値と修飾子を説明している記事にアクセスできます。
- [2 点円弧]、[円弧]、[パイ]、[3 点円弧] ツール
- [円弧] ツール
- [円] ツール
- [視野] ツール
- [線] ツール
- [ピボット] ツール
- [移動] ツール
- [オフセット] ツール
- [パイ] ツール
- [ポリゴン] ツール
- [分度器] ツール
- [プッシュ/プル] ツール
- [長方形] ツール
- [回転] ツール
- [尺度] ツール
- [メジャー] ツール
- [ズーム] ツール